新規事業の拡大に関するご相談(医療法上の広告規制)
- 医療法
弁護士: 立野里佳
第1 はじめに
当事務所では、顧問先である企業様より事業拡大の検討にあたり各種の相談を受け付けております。新規事業の拡大にあたっては、法規制に関するリサーチが不可欠となります。
第2 医療法上の広告規制
例えば、近年では、Webサイト上でユーザーが医療機関を検索して、各院のページにてメニューを選択して予約までが可能なシステムがありますが、当該Webサイトの運営にあたっては、医療法上の広告規制にも留意する必要がございます。
医療法上、医療に関する広告については、各種の広告規制が定められており、広告規制が適用される主体には限定がございません(医療法第6条の5には、主体として「何人も」と記載されております。)。よって、新規事業にて医療機関の検索が可能なサイト運営を行うに際し、当該サイトの記載内容が広告規制に違反している場合には、運営会社である企業様にも、医療法に基づき是正が命じられたり、罰則が科されたりする可能性がございます。
また、当事務所より、仮に、予約サイトに、各院の口コミを掲載するようなシステムを設ける場合は、医院からの依頼によって、運営者が、口コミの内容を改編したり、否定的な口コミを削除したり、又は肯定的なものを優先的に上部に表示するなどと、当該医院の有利に編集してしまうと、医療広告に該当し、かつ、広告規制に抵触するため、ご留意いただく必要もございます。
この点について、厚労省策定の「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(平成30年8月作成)では、以下のように指針が示されていますので、ご参照ください。
Q1-18医療機関の検索が可能なウェブサイトに掲載された、治療等の内容又は効果に関する体験談は広告規制の対象でしょうか。(P.5,9) |
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A1-18
特定の医療機関の体験談に誘引性がある場合には、広告規制の対象となり、治療等の内容又は効果に関する体験談を掲載することはできません。
例えば、医療機関が患者やその家族に(有償・無償を問わず)肯定的な体験談の投稿を依頼した場合は、当該体験談には誘引性が生じます。
一方で、医療機関の検索が可能なウェブサイトに掲載された体験談が、医療機関からの影響を受けずに患者やその家族が行う推薦に留まる限りは、誘引性は生じません。
しかし、医療機関が患者やその家族に(有償・無償を問わず)肯定的な体験談の投稿を依頼していない場合であっても、例えば、当該ウェブサイトの運営者が、体験談の内容を改編したり、否定的な体験談を削除したり(当該体験談が名誉毀損等の不法行為に当たる場合を除く)、又は肯定的な体験談を優先的に上部に表示するなど体験談を医療機関の有利に編集している場合、それが医療機関からの依頼によって行われたものであるときには誘引性が生じます。また、仮に医療機関の依頼により行われたものではないとしても、事後的に医療機関がそのように編集されたウェブサイトの運営費を負担する場合には、当該編集された体験談に誘引性が生じると考えられます。
このように、特定の医療機関の体験談に誘引性が認められる場合は、治療等の内容又は効果に関する体験談を掲載することができません。
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第3 終わりに
上記は一例ですが、このように新規事業の拡大にあたっては、企業様において法規制に関する十分なリサーチに基づき運用体制を構築することが必要となります。
当事務所では、企業様のご想定の事業展開に応じて、柔軟に各種規制についてご相談をおります。事業拡大にあたり各種規制についてご不明点がある場合には、ご相談ください。